日陰に 棲んでる 竜がいます 勇ましい 勢いある 竜とは違い 臆病で 穴の中で 暮らしています 滅多に 外に出ることは ありません 穏やかで 争う力も ありません いつか 退化して 角も 見えなく なりました 独りでいると 寂しい時もあり そっと 周りの様子を見に 出かける時もあります
ぼんやりした 雲の間に ふと 現れる 馬のようにも 魚のようにも 鳥のようにも 頭の先は 渦を巻いて 何処へ 行くのか 見えなくなったり
まわりから見ると 小さなことかも しれませんが、生きていく中で 自分は 大きな失敗をしました それでも 立ち直れる方もいれば 立ち直れない方もおります わたしは 立ち直れないまま 色々と 引きずって 暮らしております 話も うまく出来ません
森のキノコの 傘が揺れると 胞子の煙のような 雨で 辺り一面 覆われます 胞子の好きな 生きものたちが クネクネしながら やってきます マントを付けたもの達も 集まって お辞儀をしたり お祈りのような 何か あるのでしょうか
心が沈んでいるとき 周りに 見かけるのは ぼんやりとした闇のよう その中で 良く分からない 生きものたち のようなもの ぼんやりと 浮かんできます
昔 かなり長生きの梟がいて 色んな 生きものにも 人にも 化けることが できたとか そうしているうちに いつか 自分の顔を 無くしてしまったとか
※2004年 ニューヨーク招待展出品
月影で 見えないように 影の光が あたるところ 影の中に棲む 生きものが ひっそりと 目覚めます
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